10月6日晴れ。とくに予定はない日。暑くもなく寒くもなく、爽やかに晴れてものすごく気持ちのよい日だというのに、なぜかとてつもなくウツが昂進した。吐きそうになるくらい何もやる気がしない。やらなければならないことを(たいしてないのだが)考えても、やりたいはずのことを考えても、ただ不安が押し寄せるだけで、どんどん落ち込んで行く。やばい。人はこういうときに自殺衝動にかられるのだろうかと思うほどにウツっぽい。自分が死んだら泣くだろうと思える相手がいなければ、本当にどうなることか、と思う。
夕刊を見ると、「『経営者の自殺』は予防し得る」とのタイトルのコラムがある。経営者で自殺する人の共通する「ウツになりやすい」性格(ようするに律儀でマジメで気配り人間)について触れ、自殺前には決まって「鬱状態」になっている・・・つまり@前途の閉塞感A絶望感B孤立感に陥っている、と書いてある。そしてさらに、「この鬱状態は治療することができる、必要なのはウツになりうる自分の弱さを認める勇気である」とある。「なおらない鬱はない」とも言い切っている。ふむ。
これでにわかに気が晴れる、ほど単純ではないのだが、少なくともいつかはこの靄が晴れるはずだという信念は多少なりとも助けにはなる。@ABの症状はたしかに、軽度とはいえ現在の私に当てはまる部分がある。これがある種の「病気」であるなら、休息をとって治すことが必要だということだ。
それにしてもあまりにもウツウツとしてしまうので、ちょっと散歩に出た。散歩も気が乗らないほどに淀んではいたのだが、キンモクセイの香りもただようこの上ないほどのコンディションであるから、せめて一歩でも外に出てみようか、とあてもなく歩き始めた。ほんとうにあてはなく、散歩をしても「小さな発見があって楽しかった」なんて言えるような心境でもなかったが、歩きながら最近お気に入りの携帯電話によるタロット占いに接続してみた。「この閉塞状況からどうやって脱出するの?」と問いかけて。
占い結果にはこうあった。「バランスを取ることが大切です。あれかこれか、ではなく、あれもこれも、と考えるとき」・・そう? 私自身は自分のそういうところがむしろ弱点だと思ってきたのだが・・・このまま行け、ということなのか。しかしラッキーアイテムとして「空のきれいな場所」とあった。ふと空を見上げると、秋の夕暮れの雲がはっとするほど美しい。秋特有のすじ雲が、ちょうど沈もうとしている太陽に向かって、あるいは太陽から発しているかのように、放射状に空いっぱいに広がっている。とくに飛行機雲であったらしい(それにしては幅が広かったが)ひとすじの雲はまるで虹のように空を渡っている。ほんの少し明るい気分になる。キンモクセイの香りを吸って、「まあボチボチやろう」と思う。
駅前の古本屋で「夢は必ず叶う」とかいうたぐいの本を買い込んだ。そして帰る道すがら、またもや無根拠に「そうだよ、きっと上手くいく、大丈夫」と思い、ここのところ頭に浮かんでいるメロディをちゃんと曲に仕上げようか、などと、とりあえずなにかしらの「やる気」は復活させながら帰宅したのであった。