業田良家 週刊モーニング2000.11.16号
漫画のなかで(劇画ではなくギャクタッチの漫画)主人公の「ダーク」というギター弾きの少年がうたった歌。家族に冷たくされるおばあちゃんが、ホームレスの彼のもとにやってきてあれを歌ってくれとせがみ、笑顔でいっしょに歌う。 不覚にも、じわっときてしまった。わりと杜撰に電車の中で斜め読みしていただけだったのに。 これ以上のコメントは無意味な気がする。漫画なので実際には絵も見なければその雰囲気は全体として伝わってこないだろう。上記に抽出してしまった言葉だけではなく、その主人公のキャラクター、見た目、その歌に至るまでの、ギャグ漫画ながらある種の映画のような淡々とした、それでいて妙に心に食い込む場面の描写があって、挙句の果てに、私の大脳皮質の言語野がそれと認識する前に私の全体が反応して「あらら?」と、自分で驚く意外なこみあげ。 しかし「何の理由もなく、人を許すしかない」と唱和したおばあちゃんは帰宅してまたもや家族に冷たくされて「やっぱり恨みます」。決してキレイゴトで漫画が展開しているわけではないのだが、それだけに歌詞の内容が沁みる。
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