落合恵子 「午後の居場所で」朝日新聞朝刊99.10.6付け
「疲れた顔やため息は禁物。傷ついてもハハハと笑い飛ばしてやろう!」そんな心意気で,ちょうど私やそれよりちょっと上の世代の女たちが頑張ってきた。愚痴ばかりたれる冴えないおやじ(年齢の問題でなく)や,「私,傷ついた・・」とうじうじ言い立てる(本当はしたたかなくせに)ひとたちにたいして,ちょっとしたアンチテーゼも主張しながら「元気,元気!」「ポジティブに!」と言ってきた。そのうちそれは必ずしもがんばる「女」たちのものだけではなくなってきたけど。
ここで私も,それに似たことを言ってはいるのだけれど・・・つまり,「ものごとの明るい面に目を向けようよ」と。でも,それは疲れているのに疲れていないフリをして,いわば虚勢をはれ,ってことじゃない。疲れたときは「ああ,疲れちゃったね」と言えばいい。休みたいなら休めばいい。気持ちが落ち込んでいるなら「ああ,落ち込んでるなあ,私」と言ってもいい。でもいつでも開けられる,光のあふれる窓がある,ってことだけ覚えていればいい。いつも明るいのは確かに疲れるよ。ちょっと光を落とした落ち着く空間にうずくまってエネルギーを補給するのも必要。 落合恵子さんたちは,「元気印」でやってきたけど,ここにきて「いっつも元気なのもやっぱり疲れるよねえ」と言っているわけだ。ちょっと苦笑しながら。無理して元気なフリをして,結局つもりつもった疲れに押しつぶされ,一転して愚痴ばかり垂れるような状況になる前に,「あ〜〜,疲れた」と言ってさっさと休んでしまおう。 「元気?」「うん,元気元気(〜〜〜ほんとはすごく疲れてるけど〜〜)」「そう,よかった(・・・無理してるみたい・・大丈夫かな?)」 ってのではなく 「元気?」「う〜〜ん,ちょっと疲れてるかな〜〜。ま,ぼちぼちいくわ」「元気疲れ,だね」「そ〜〜ね,ははは」 って素直に言えるのがいいね。
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