癒し系のヒト    
originally written on 2003.1.30                  

得意のカーシー性格分類を,ついに職場(英会話学校)にまで持ち込んでしまった。飲みに行った席でちょっと話したら「やりたい!やりたい!」。ネイティブの教師たちも興味を持ったので,英語の原書版まで持ち込んでみんなでやってみた。
その結果についてここであまり報告してしまうのは,生徒さんの読者もいる関係上,あまり好ましくないとは思うが(興味のある人は個人的に聞いてね,当人たちに),ひとつだけ,ひとりだけ,どうしても書きたくなってしまう結果があった。

物静かで優しい男性教師,KEVINである。

2カ月ほど前,私が,てめーで勝手に旅行に行くことを決めておきながら,どたんばでとてつもなく不安になってキャンセルしてしまったことがあった。そのとき,休みを取る取らないで最後まで職場には迷惑をかけたのだが,マネージャーのMさんがとても親身になってくれたのでありがたかったのを思い出す。結局私の「不安」は,旅行そのものに関することではなく,パートナーとの関係に生じていた問題(それ自体は旅行には何の関係もない)がその元凶だったわけなのだが(それによって私の基本的な情緒が「不安」になっていたのである)そんな,他人にしてみればあほらしいようなことで仕事関係を振り回した私を責めもせず,いろいろ配慮してくれたのである。
そしてそのとき,自分の馬鹿な問題なのに,と思いつつもつい悩みを口にしてしまった私を助けてくれたもうひとりの人間が,KEVINだった。

アホみたいと思われるかもしれないけれど,不安を持て余した私は,職場なのにも関わらずそれを自分の中に押しとどめておけなかったのだが,笑われるかと思いきや,「心の問題はいちばん重要なことだよ」と,真剣な顔で聞いてくれたのだった。
(その時点で,私の「悩み」はまだ,「旅行に行くべきか行かざるべきか」ということであり,パートナーとの間に生じた不安については言及していない・・いや,言及しかかってはいたかな)
そうして,彼は,タロットカードで占ってくれたのである。
「ぼくはカードで未来を予言するワケじゃない,出たカードに,あなたがどういうインスピレーションを受けるかなんだよ」と言いながら,自分の友人がデザインして作ったのだという,大事そうに布の袋に入れたカードを出してくれた。「旅行に行くか行かないか,の悩みだから,択一法で行こう。行くと決めた場合,のカードと,行かない,と決めた場合のカード,を選ぶんだ」

そうして選んだカードは・・。
行くと決めた場合,のカードも,悪いカードでは決してなかった。行ってもいいのかもしれないと私は思った。しかし,行かないことにしたときのカードがめくられて,そのカードを見たとたんに,なんだか私はほっとしてしまった。すごく美しいカードだった。「聖杯の9」で,聖杯から青っぽい虹のようなオーラが立ち上っている。いや,実は立ち上っているのではなく,聖杯が虹を天から受け取っているらしい。説明には,何が自分にとっての本当の幸せなのか,それを追求することだ,それは身近なところにある,あなたはそれを通じてこそ,あたかも母乳のように,世界の限りない豊かさを得ることができる,というようなことがあった。

KEVINは別に,なにかを説得してくれようとしたわけではない。だが,ただ,タロットを引かせてくれただけである。判断はすべて私の側にあった。しかしその穏やかな,限りなく受容的な存在と,そのカードが,まったくのところ私を癒してくれた。
私はとりあえず行かないことに決め,結果的にそれは良かったのだと思う。その後,なぜだか不思議なことに,直接そのことには関係なかったはずのパートナーとの関係が劇的に改善された。あの不安はなんだったんだろう,と思うとともに,あのタロットはなんと当たっていたことだろう,と驚嘆している。
もちろん,単なる偶然かもしれない。KEVINは別段,訓練された占い師というわけでもない。だが,その存在が私を救ってくれたことは結果として確かなのだ,KEVINにはそういう自覚はないかもしれないくらいだけれど。

KEVIN自身にも,プライベートなことで,長い間,悲しみ悩んでいてなかなか立ち直れないことがあるのだ,とあとからMちゃんに聞いた。それで私は,恩返しの意味で?例の「幸福学」の本の原書を2冊取り寄せ,その1冊をプレゼントしたのだ。彼は日本にいて,その手の本に少し飢えていたのだ,嬉しい!と喜んでくれた。そして正月休みのあと,「ぼくも自分の考え方をhappyのほうに切り替えた,とても大きな違いだよ!」というメッセージとともに,例の「聖杯の9」のカードのカラーコピーが,連絡用の私のポストに入っていた。

残念ながら非常勤講師の私はなかなか,他の教師たちとしげしげ話をするような機会はないのだが,いずれゆっくり彼と話したいと思っている。

そうそう,ところで,そのKEVINの性格分類は・・・。
INFP,「ヒーラー」(癒す人),であったのだよ!

彼が私と同じ,NFであることに,私は本当に嬉しい気持ちがしている。私と同じく,思いっきりNで(N:S=18:2)思いっきりF(F:T=17:3)である。つまり,見本のようなNF型だ。どうりで,なにか親しいものを感じたはずである。それまで実はほとんど個人的に話をしたことがなかったのにもかかわらず,つい,恥ずかしいようなパーソナルな悩みを口に出してしまったのも,ひそかな共感を潜在意識が感じていたからだったのだろう。

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